まもなく新年度が始まります。新たなメンバーを迎える企業も少なくないでしょう。
今日は新社会人を迎えるにあたり、失敗についてフォーカスしたいと思います。
前職の航空会社では、失敗を繰り返さないために仕組みや考え方で工夫する文化がありました。
「人は失敗をするもの」という大前提が根底にあります。
人は本質的にヒューマンエラーを起こします。見間違いや思い込み、記憶忘れ、操作ミスなど、人間の性質に起因するさまざまな原因があるからです。Aさんが失敗した事例は、そのときたまたまAさんだっただけで、BさんにもCさんにも起こり得るもの、というのが基本的な考え方です。ルール違反、怠慢、手抜きといった故意によるものについては叱る対象になりますが、ヒューマンエラーについては叱る対象にはなりません。大切なのは失敗を隠すのではなく、原因分析し他の人にも共有しよう!と失敗をオープンにする文化です。また、誰がやったのかと人にフォーカスするのではなく、原因や背景を掘り下げ、失敗を「人」と「事」で切り分けることも重要です。
厚生労働省の職場の安全サイトでは、ヒューマンエラーの防止策として次の4つを挙げています。https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo62_1.html
1)人が間違えないように人を訓練する。
2)人が間違えにくい仕組み・やりかたにする。
3)人が間違えてもすぐ発見できるようにする。
4)人が間違えてもその影響を少なくなるようにする。
しかし、どんなに画期的な方法や仕組みを導入しても、人が行う以上、失敗は起きます。
特に新人さんは、慣れない仕事で過度に緊張することもあるでしょう。
彼らが適度な緊張を保ちつつ、最大のパフォーマンスが発揮できるよう、
職場の雰囲気を最適に保つ心配りが必要かもしれません。
みなさんの職場では、失敗をどう生かしていますか。
失敗事例をオープンにし、原因究明の際に「人」と「事」を切り分けて考えていますか。
成果を出しやすい適度な緊張感のある職場作りが励行されているでしょうか。
4月を迎える前に、この辺りの点検をしてみるのも必要かもしれません。